ベース領域には電界はかかっていないが、ベース幅がきわめて薄いことと注入される正孔の濃度が圧倒的多数であるため拡散効果により、ベースに流れ込んだホールは大多数がコレクター領域へ移動する。
 N形のベースに注入されたホールはN形の自由電子と結合して消滅するが、ベースの不純物濃度が小さくしてその割合を小さくする。また同じ理由によりべースからエミッターに流れる電子電流は小さい。
 そのため各端子を流れる電流比は例えば IE:IB:IC=50:1:49 のような値になる。これは任意のIEの値のときに成り立つので、もしIBを1mAから1.1mAに変化させるとIEは55mA、ICは53.9mAに変化することになる。つまりベース電流のΔIB=0.1mAの変化が約50倍に増幅されてΔIE=4.9mAの変化になるわけだ。これが電流が増幅されるメカニズムである。
 エミッター−ベース間の抵抗は500Ω程度だが、コレクター−ベース間の抵抗は1MΩ=106Ω程度である。ΔIEはΔICとほぼ等しいので電圧の増幅率は2000倍になる。これが電圧が増幅されるメカニズムである。

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